折敷舞

折敷舞(おしきまい)とは

折敷舞の折敷とは、神への献饌に用いる三方上部のお盆を指します。

祭祀の中でも最も重要なことは申すまでもなく神に神饌を供することであり、宮中や神宮の神饌調達、奈良・談山(たんざん)神社の嘉吉祭(かきつさい)に於ける『百味の御食(ひゃくみのおんじき)』、春日大社や下鴨神社の調理神饌からも明らかであり、神饌の準備そのものが既に神事であるといえます。

そのように慎重にも清浄を期して調製された供物は、更に慎重に絶対に粗相のないよう御神前に供せられなければなりません。万一躓いて転んでも神饌を落としたり、酒一滴たりとも零したりしてはならない。

そうした神への供物に対する慎重な取り扱いの気持ちを舞に表したのが折敷舞であり、他県にも同名の神楽は存在しますが、刀を利用し盃を刀の先端に載せ、体を回転させながら舞われる折敷舞は備後地方特有のものであります。(青年神職会清興行事資料より)

映像提供:槙橋写真館(豊栄)

歴史

明治初年、府中市篠根町の故喜多一作(きだいっさく)氏により趣向が加えられ、折敷に代わり盆や太刀を持ち、それに多数の盃を載せて舞う舞となりました。当時弟子であった福山市柞磨(たるま)の八幡神社宮司故皿海次郎(さらがいじろう)翁が舞われ、今に伝承されています。江戸末期より舞われていたのではと考えられます。(青年神職会清興行事資料より)

所作

白衣・袴・たすき掛け、しゃぐま・鉢巻の太夫が
両手に盆を持ち、その上に盃を載せ、また太刀に盃を載せてキリキリ舞をしたり前転したりする。

 

上演時間

一通り全て舞うと、30分程あっという間に経過しています。
イベント等で時間に制限のあるときには、省略して行っています。