米麹こめこうじ

濁酒や芋焼酎を作る時などに使う米麹を作りました。
以前はスーパーで袋に入った米麹を買って使っていました。
でも手作りの酒というには少し抵抗があります。
そこで米麹作りから挑戦しました。
酒造りの基本ですからね。
なお参考にしたのは農文協のわが家でつくるこだわり麹 永田重蔵著です。
お薦めです。

広島の酒米 八反錦を使いました。
農家の友人から分けてもらいました。
どんな米でもいいのですが、「さばけ」がいいので使いやすいです。
要するに蒸した時ばらばらにさばけ易いのです。
コシヒカリのように美味しい米はべた付くので不向きです。
一度古い餅米が余っていたので、使ってみましたが、手に付くは団子になるはでいい麹はできませんでした。
掛け米にするのはさほど関係ないようでした。

3.3kgを使用しました。
きれいに米を研ぎます。
4〜5回替えるとだいぶ澄んできます。
浸漬です。
1日目の16:30〜2日目8:00まで15.5時間しました。
時期や水温によって変わります。
米の浸漬時間 単位:時間
浸漬温度 浸漬時間
10℃以下 15〜24
15℃ 10〜12
17〜18℃ 6〜8
20〜23℃ 3〜5
23℃以上 〜3
わが家でつくるこだわり麹 永田十蔵著より
この時期は2月です。
8時 ざる等で水切りをします。
1時間くらいです。
白米の状態からすると重量が2〜3割増しになるといいそうです。
9時 蒸し器に入れます。
この蒸し器も手作りです。
3段ありますが、今回は1段で十分です。
9時〜10時まで約1時間蒸します。
ちょっと硬いくらいでいいと思います。
中に箸を立てて中まで蒸されているか確認をします。
又、ちょっと蒸米を摘まんで指でこねると固めの餅になるといい加減です。
ひねりもちというそうです。
このかまどを作ったおかげでこんな遊びができます。
煙突は壁から外部に出てます。
ステンレスの蒸し器とガスコンロでは雰囲気がでません。
なお、蒸しによって1割の水分を吸い、結局白米からして4割増しの重量がいいそうです。
さらし布の上に蒸米をばらばらになるように手で広げます。
空もみといいます。
先ほどの「さばけ」がよいと上手くいきます。
逆にもち米などは「さばけ」ません。ねばねばと塊になります。
ちょっとというか大分熱いです。
扇風機で温度を40℃位に下げます。
インターネットで買った麹菌です。こんだけ有ったら相当使えます。
種付け
素手で熱くなくなったら茶こしに麹菌を入れて振りかけます。
全体にまんべんなく振りかけるのが難しい。
蒸米から30〜40センチ位上から振りかけるといいみたいです。
一回に振りかけず、2〜3回に分けて振りかけます。
そのつど蒸米を手で揉むように混ぜ合わせるといい。
量は小さい茶こし1杯あればいいです。
上級者になるともっと少なくていいそうですがここは初心者、確実にいきます。
ほとりのほうが菌がつきにくく後で麹にならない米の塊になります。
引き込み
布のまま引き込みます。
10:30
自作の麹蓋に入れます
自作の麹箱です。
桧の板で2重の作り。その中には断熱材がサンドイッチされてます。
育苗のサーモスタット付きのヒーターが内蔵です。
農業を辞めた人から譲ってもらいました。
庫内の温度は予め30℃にして置きます。
午前11時セット完了。堆積というそうです。
それにしてもこの麹箱は自慢の作です。
縦80cm横150cm奥行き90cmです。
こんだけあれば麹だけでなく酒などの発酵器にもできます。
夜22時切り返し
庫内から出して作業してます。
本来は庫中でするのがいいはずです。
以下の作業はすべて出して作業してます。
写真撮るのにも都合良かったからです。
堆積を崩してよく混ぜます。
固まっているのでばらばらにほぐします。
品温は22℃でした。
33℃くらにならないとマズイです。
3日目のお昼12時盛り込みです。
品温が高くなりすぎると麹菌が自分の熱で死んでしまいます。
本来は分割するのですがこのくらいの量ならそのままです。
こんな風に固まっています
3日目夜10:15分 一番手入れ
手で攪拌します。
熱の放出が目的です。
攪拌後は山形に押えます。
庫内の温度は30℃に保つ。
その後3〜6時間後二番手入れと言ってまた同じことをします。
4日目朝8:30分 仕舞仕事
3回目の手入れです。最後だから仕舞仕事と言うそうです。
品温が40℃〜41℃に達します。
指で川の字に切っておきます。「花道」をつけるといいます。
ちょっと本職の杜氏さんみたいでかっこいい。
もうこの段階でいい出来上がりは分かっているので気分がいい。
4日目の昼9:00 出麹
麹箱から出します。
真っ白で麹菌がまんべんなく繁殖しています。
弾力があるのがいい麹です。
ちょっと弾力が足らず硬い気がします。
本来は昼12:00がいいのですが、硬いので早めに出しました。
朝9:00完成です 出麹
3.45kgしか有りませんでした。元重量の2割増しが理想です。
出麹歩合といいます。
元重量が3.3kgなので3.96kgが理想です。
やはり乾燥しすぎです。
庫内の温度が高かったか、庫内の湿度が足らなかったかです。
でも、これで十分です。
酒を造るならこの後すぐ使います。
酒造り用の麹だからこの日数で作ります。若麹というそうです。
味噌造り用ならもう1日置きます。少し色が付き味噌臭いがします。
老ね麹というそうです。

  タイムスケジュールは以下の通りです。                          

 仕   事   日   付 時   間
精米
洗米 1日目 15:50〜16:00
浸漬 16:00〜翌9:00
水切り 2日目 8:00〜9:00
蒸米 9:00〜10:00
冷却 10:00〜10:10
種付け 10:10〜10:30
引き込み 10:30
切り返し 22:00
盛り込み 3日目 12:00
一番手入れ 22:15
二番手入れ 4日目 2:00
仕舞仕事 8:30
出麹 9:00

酒を仕込むにはこの後すぐに使います。