ともえ学園




   緊急一斉連絡システム


   いろいろな組織や団体で、いざという時のために緊急連絡網が構築されていることと思います。

   かつては電話が主流で、相当の時間と手間と経費(通話料)がかかっていました。

   ともえ学園でも、緊急電話連絡網を構築し、順番に電話で連絡をしていました。

   しかし、全ての人に伝達するのにとても長い時間がかかり、正確さも欠けていました。

   違う方法を模索していた時、携帯電話のメールが普及してきたことに伴い、2002年頃から
   パソコンを使って携帯電話のアドレスへ一斉メールを送信することを始めました。

   しかし、メールアドレスの管理が煩雑なことや、特定のパソコンや特定のスタッフしか送信できないこと等から
   さらに何か良い方法はないかといろいろ調べた結果「らくらく連絡網」というサイトに行き当たりました。
   そして2006年からこれを利用して携帯電話へ一斉メールを送信することを始めました。

   このページでは、このらくらく連絡網のことや、らくらく連絡網とWebカメラの検知機能を利用した
   メール送信システムについてご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。


 
 ◆「らくらく連絡網」とは・・・

  ・携帯電話、スマートホン、パソコン等で使える無料のメール連絡網です。

  ・携帯電話、スマートホン、パソコン等でメールを作成し、らくらく連絡網のWEBサーバーへ送信すれば、
   らくらく連絡網から加入メンバー全員に一斉にメールが送信されます。

  ・どのメンバーからでも、一斉メールを送ることが出来ます。

  ・読了確認や出欠確認とることも出来ます。

  ・加入メンバーをさらにグループ分けして特定グループだけに送信することも出来ます。

  ・自分のメールアドレスが、他のメンバーにわかることはありません。

  ・詳しくは、こちら →
らくらく連絡網 http://www.ra9.jp/」のサイトへ 
 

ともえ学園では、次のような時に使用しています・・・

1 火災以外の緊急連絡(例:行方不明、食中毒、出産、逝去、傷病、天変地異、事件発生、その他)

  情報は寿司のネタのようなものだと思います。新鮮な情報ほど価値があります。
  スタッフ全員に少しでも早く伝えたい情報がある時に、その都度、伝えたい情報をメールにし、
  らくらく連絡網Webサーバに送信して、配信しています。


2 火災発生時や緊急事態時等の緊急連絡

  火災が発生した時や不審者が襲ってきた時等、その最中にパソコンや携帯電話、
  スマートホンなどで、「緊急事態です、すぐに来て下さい」などのようなメールを作成し、
  送信することは、まず不可能です。とてもそんな余裕はありません。
  しかし、ボタンを押すだけなら簡単に誰でも出来るはずです。

  押しボタンと言えば、今では殆どの施設に、押しボタンだけで、消防署に繋がる、

  火災通報専用電話機が設置されています。

  この装置については、殆どの社会福祉施設に設置されていますので、説明は割愛します。

  この装置はボタンを押すと電話が発信されますが、同じように、ボタンを押しただけで、

  メールが送信出来ないものだろうかと、いろいろと考えました。

  その結果、思いついたのが、施設で使用しているネットワークカメラのアラーム機能です。
  
  ネットワークカメラは、動画を撮影し、条件に応じて録画をすることが出来ます。
  録画をする条件としては、常時録画する方法や、回りの動き等を感知した動作検知、
  そして、ドアを開閉したりした時などのアラーム検知という方法があります。
  併せて、録画を開始すると同時に、指定したところへメールを送ることも出来ます。
  つまり、カメラの前で何かが動いたり(動作検知)、ドアを開閉(アラーム検知)したら
  メールを発信することが出来るわけです。

  メールを送信するのはパソコンやスマホ等のメールソフトだけではなくて、
  ネットワークカメラでも出来るわけです。

  周りの動きの感知は、動きの変化を動体の輪郭の変化と輝度変化によって検出する方法です。
  ドアの開閉による感知は、ドアスイッチによる方法です。

  ドアの開閉でメールを送るという仕組みは、ドアスイッチをカメラのアラーム感知端子に配線して、
  ドアスイッチが入れば、メールを送ることが出来るという仕組みです。

  これが、パナソニック ネットワークカメラのアラーム機能です。

  パナソニックネットワークカメラのサイトはこちらです。
  http://sol.panasonic.biz/security/index.html

  このアラーム検知機能を利用し、メールを送るシステムを構築することとしました。
  カメラのアラーム感知端子に、押しボタンスイッチを配線しました。
  そうすると、押しボタンを押した時に、メールが送信されます。

  ボタンを押すだけで、あらかじめ登録してあるメールが送信出来るというわけです。



写真の左側が、火災通報装置 そして中央が通報装置の受話器

そして、右側のボタンが、カメラに繋がっている一斉メール送信のボタンです。



メール送信ボタン拡大



  当初は、メールの件名に「火災通報メールボタンが押されました」としていましたが、
  平成28年7月の障害者支援施設の襲撃事件を機に、全ての緊急事態に対応するため、
  現在は次のようなメールをあらかじめ作成し登録しています。
   ・件名「緊急通報メール送信ボタンが押されました」(半角44文字以内)
   ・本文「学園に電話をして状況を確認し再度メールで周知します ともえ学園」(半角63文字以内)

  これにより、ボタンを押すだけで、学園で何かが起こっていることを外部に知らせることが出来ます。
  しかし、利用者の方や職員が誤ってボタンを押すことも当然想定されます。
  そこで、メールが届いた場合は、必ず学園に電話して真相を確認し、確認した者がそのことを周知するという手順としました。

  確認する職員の職種は予め定め、最初に確認した者が、携帯かららくらく連絡網で真相を周知します。
 
  メール受信後の対応は次のとおりです。
  ■メールを受信した一般の職員は、応援に駆け付ける準備をして、次のメールを待ちます。
  ■メールを受信した園長及び次長及び支援部長及び看護課長及び栄養課長は、学園に電話し、
   状況を確認し、その状況と応援の要否をらくらく連絡網で再度配信します。
   (誤報の可能性もあるため、このような確認作業を行います。)
   1分以上電話しても電話に誰も出ない場合は、非常時と判断し、その旨を配信します。
   もし、緊急事態が発生していたら誰も電話に出ることが出来ないものと思います。
   よって、この場合はとにかく施設に集結することとしています。
  (配信内容は、「1分以上学園に電話しても誰も出ません。不測の事態が生じたものと推測されますので、学園に集結して下さい。」)

  このネットワークカメラには、メールの送信先が同時に3箇所設定できますの3箇所設定しています。
   宛先の一つ目は、もちろん、らくらく連絡網Webサーバです。
  らくらく連絡網WEBサーバにメールが届けば、そこから加入メンバー全員(職員)にメールが発信されます。
  そして、残り2箇所の宛先には、園長と次長を設定しています。
  園長と次長も、らくらく連絡網のメンバーなのですが、もし、らくらく連絡網にトラブルがあった場合、
  誰にもメールが届かないことになります。
  そこで、カメラから送信する宛先に、この2名の宛先も追加して、この2名には、カメラから直接送信されたメールと、
  らくらく連絡網から送信された2通のメールが届くようにしました。
  もし、カメラから送信されたメールだけしか届かない場合は、らくらく連絡網のトラブルが考えられます。
  その場合、この2名はらくらく連絡網のトラブルと判断し、携帯からのメールやライン、携帯電話等、
  あらゆる手段を使用して、緊急連絡をすることになります。
  つまり、園長と次長は、らくらく連絡網がトラブルの場合のバックアップのため、カメラからのメールも受信します。
  また、
このバックアップを2人にすることにより、園長又は次長のどちらかが対応できない場合のお互いのカバーをします。

  社会福祉施設の皆さんで、このシステムにご興味をお持ちになりましたら、是非、試行してみて下さい。
  インターネットへの常時接続の環境が必要ですが、カメラとボタンと配線さえすればすぐに使用可能です。
  もし、ご興味をお持ちになりましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

  ボタンはいくらでも増設できますので、必要に応じて色々な場所に設置出来ます。
  ともえ学園では、現在、押しボタンを各グループの生活棟の職員室と各宿直室、栄養士室、事務室の
  計7箇所に設置しています。


 ※
平成20年2月 備北地区消防組合へメール通報の対応を依頼
        →メール受信システムが確立されていないという理由で拒否された。

 ※
平成22年10月
  ともえ学園が加入しているプロバイダ(PIONET)に、もし障害が生じた際は、メールが送信出来ないことに気付きました。
  メールが送信出来ない場合の連絡手段の構築も必要です。
  そこで、メール発信ボタンを利用して、同時に、自動で電話を通報する装置を設置しました。
  このことにより、ボタンを押したら、カメラからのメールと、電話が同時に発信出来ることになりました。
  電話がかかってきたのに、メールが届いていない場合は、プロバイダの障害が想定されます。
  この場合、電話を受けた者は、施設へ連絡し、状況を確認することとなります。
  この自動通報装置は、「TD−110」という機種で、4箇所の宛先と、最大15秒間のメッセージを登録出来ます。
  押しボタンセンサーにより、ボタンを押すと発信出来ますので、メールボタンと兼用しています。
  通報を受けた職員は、もし、メールが届いていない場合は、プロバイダの障害と判断し、
  電話等で知らせることになります。

                      電話自動通報装置 TD−110
                

 平成24年2月
   
大分県日田市の、(有)加藤電工さんから、「火災一斉メールシステム」のご紹介を頂きました。
   ともえ学園のシステムも少し参考にして頂いたようですが、自前でメールサーバーを立ち上げられ、
   火災通報装置のボタンを押して、119番通報した後に、メールサーバーへ電話通報して、
   一斉メールを送信するシステムです。
   詳細は、こちらのサイトでご確認下さい。↓ ↓ ↓ 
   http://www.katoden.co.jp/kasai_mail/kasai_mail.html

 ※
平成24年6月
  音声で通報出来ない人向けのメール119システムを備北地区消防組合が立ち上げたことにより、
   平成20年に次いで、再度、メール通報の対応を依頼
  →前例がない、既存の非常通報装置が使用出来る。
   メール通報が集中すると対応困難等の理由で拒否された。

  ※平成24年8月
    総務省消防庁がメールで119番通報ができるよう検討を開始

  ※平成24年8月24日
    火災時の消防署への通報について、自動通報装置を使用しないで、
    直接、コードレス電話又は携帯電話で、119番通報することとした。
    (通報する職員は初期消火に参加しないで、とにかく通報を優先する。)
    また、今後、メールを消防署で対応してもらうことについては、依頼をしないこととした。

  ※平成28年7月26日
    障害者支援施設が襲撃された事件を機に、火災だけでなく緊急時にも使用するため、メールの標題と本文を変更しました。

 
 
平成30年3月
  法改正により、自動火災報知器と自動通報装置の連動開始。

 
令和2年3月
   
北海道帯広市の、(株)アイエスさんから、Eメール緊急一斉通報システム「Haya mail」のご紹介を頂きました。
   当施設のウエブサイトを閲覧していただき、ともえ学園のシステムと考え方が相通じるものがあるとのことで
   資料を送っていただきました。
   詳細は、こちらのサイトでご確認下さい。

           ↓ ↓ ↓
     
http://hayamail.aiesu-web.jp/

  
 今後も,各種装置に不測の事態が生じたときの対応、より確実に連絡できる通信手段や
 通信体制を構築していきたいと思います。
 ご意見、ご感想、ご提案等をお寄せいただければ幸いです。
(前岡)
 


障害者支援施設 ともえ学園
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