第1 目的等
県は,身体障害者療護施設から移行した障害者支援施設(以下「主たる対象を身体障害者とする施設」という。)並びに知的障害者更生施設及び知的障害者授産施設から移行した障害者支援施設(以下「主たる対象を知的障害者とする施設」という。)(以下,主たる対象を身体障害者とする施設及び主たる対象を知的障害者とする施設を併せて単に「施設」という。)に係る入所希望者の円滑・公平な入所を確保するため,市町相互間の連絡調整等として,入所調整を実施する。
入所調整とは,市町(広島市・福山市を含む。以下同じ。)における施設の利用希望者の施設入所に係るあっせん・調整について,県が行う広域的な調整・支援及び施設が行う調整・支援とする。
県が行う広域的な入所調整は,主たる対象を身体障害者とする施設については広島県立身体障害者更生相談所(以下「更生相談所」という。)において,主たる対象を知的障害者とする施設については広島県西部こども家庭センター(以下「センター」という。)において,関係の市町,施設の協力を得て実施する。
第2 入所待機者
市町長は,施設に係る介護給付費の支給申請を行った施設の入所希望者であって,施設への入所が必要と認めた者を入所待機者とする。
入所希望者が複数の施設の入所を希望する場合は,それぞれの入所希望施設について,入所待機者として取り扱う。
施設に入所中の者が入所施設の変更を希望する場合も,入所待機者として取り扱う。
第3 入所調整の内容
入所調整の内容は,@通常時の入所調整(入所待機者の入所待機順位の設定・管理),A緊急時の入所調整(緊急に施設等の利用が必要な場合の入所待機順位の変更),Bその他の入所調整(施設等が新設された場合の入所調整,その他,広島県立身体障害者更生相談所長又は広島県西部こども家庭センター所長(以下「所長」という。)が施設の入所に関して調整が必要と認める場合の入所調整)とする。
第4 通常時の入所調整
1 市町長の手続き
(1) 支給申請への対応
市町長は,入所希望者から施設入所に係る介護給付費の支給申請書を受理した場合は,速やかに調査等を行い,介護給付費支給の要否を判断する。
市町長は,介護給付費の支給が必要と判断した場合は,入所希望者から「入所調整依頼書(兼)情報提供同意書」(様式第1号)の提出を求める。
(2) 入所依頼
市町長は,入所希望者が入所を希望する施設管理者に「入所依頼書」(様式第2号:支給申請書(写),勘案事項整理票(写),障害程度区分聴取り票(写)又は障害程度区分認定調査票(写)及び診断書(様式第10号)(写)を添付)を送付し,当該施設の入所待機者とすることについて調整を行う。
市町長は,施設管理者への「入所依頼書」の送付に併せて,入所希望者に対し,施設見学を行い,面接を受けるよう指導する。
市町長は,施設管理者から入所依頼に応じる旨の回答を得た場合は,関係所長(当該施設が,主たる対象を身体障害者とする施設の場合は広島県立身体障害者更生相談所長,主たる対象を知的障害者とする施設の場合は広島県西部こども家庭センター所長をいう。以下同じ。)に「入所待機者登録書」(様式第3号:支給申請書(写)を添付)を送付する。
市町長は,施設管理者から入所依頼に応じられない旨の回答を得た場合は,その理由について検討し,入所希望者の意向を十分踏まえた上で,他の施設等の利用も含めた,更なるあっせん・調整を実施する。
(3) 介護給付費の支給
市町長は,施設管理者から入所待機者について入所可能の連絡を受けた場合は,介護給付費の支給を要する状況の確認を行い,介護給付費の支給を決定する。
市町長は,介護給付費の支給を決定した入所待機者が入所希望施設を複数登録している場合は,施設管理者からの契約内容報告後,他の入所希望施設に当該入所待機者の名簿からの削除を連絡する。
(4) 入所調整の辞退
市町長は,入所待機者から支給申請取り下げの意思表示があった場合には,「入所調整辞退書」(様式第4号)により関係所長に連絡し,入所希望施設に当該入所待機者の名簿からの削除を連絡する。
(5) 情報提供
市町長は,所長から定期的に送付される「入所待機者名簿」に基づいて,入所待機者に対し,随時,入所調整の進行状況等について情報提供する。
2 施設管理者の手続き
(1) 入所依頼への回答
施設管理者は,市町長から「入所依頼書」の送付を受けた場合は,市町と連携し,入所希望者の面接等を行い,速やかに自施設の入所待機者とすることの適否について検討し,市町長に「入所依頼回答書」(様式第5号)を送付する。
施設管理者は,入所希望者を入所待機者とすることに応じる場合は,当該入所希望者を施設が管理する入所待機者名簿(様式第7号)に追加する。
(2) 入所希望者への助言
施設管理者は,入所希望者から,市町への介護給付費の支給申請に先立って施設入所の相談があった場合は,面接等を行った上で,入所希望者に対し,市町への介護給付費の支給申請等を助言する。
(3) 入所者の決定
施設管理者は,新たに入所者の受け入れが可能となった場合は,入所待機者名簿の入所待機順位1位の入所待機者へ入所の意向確認を行い,当該入所待機者が施設の入所の意思を示した場合は,当該入所待機者に係る市町長に入所可能の連絡を行う。
施設管理者は,当該審議の結果,入所待機順位1位の入所待機者が施設入所を希望しない場合又は直ちに入所ができない場合は,入所待機順位が次に高い入所待機者に入所の意向確認を行い,入所の意思を示す入所待機者が現れるまで同様の手続きを繰り返す。
(4) 利用契約の報告
施設管理者は,介護給付費の支給決定を受けた入所待機者と利用契約を締結した場合は,当該入所待機者に係る市町に契約内容を報告するとともに,「入所者異動状況等報告書」(様式第6号)により関係所長に報告する。
3 所長の手続き
(1) 入所待機者名簿の整理
所長は,市町長から送付を受けた「入所待機者登録書」に基づいて,入所待機者を「入所待機者名簿」(様式第7号)に追加する。
所長は,施設管理者から送付を受けた「入所者異動状況等報告書」に基づいて,「入所待機者名簿」を整理する。
(2) 入所待機者名簿の送付
所長は,市町長,施設長に,定期的に5月,9月及び1月の末日時点の「入所待機者名簿(情報提供項目は,入所待機順位,市町名県名,申請受理年月日,性別に限る。)」を送付する。
第5 緊急時の入所調整
1 市町長の手続き
市町長は,入所待機者から施設への緊急入所の申出を受けた場合は,速やかに調査を行い,緊急入所の要否を判断する。
市町長は,緊急入所が必要と判断した場合は,関係所長に「緊急入所調整依頼書」(様式第9号)を送付する。
2 所長の手続き
所長は,市町長から「緊急入所調整依頼書」の送付を受けた場合は,速やかに入所調整会議を開催し,入所待機順位の変更について,関係者と協議・調整し,決定する。
入所調整会議は,所長が主宰し,原則として,緊急入所調整を依頼した市町職員,当該入所待機者よりも入所優先順位が上位の入所待機者(施設入所中の入所待機者を除く。)に係る市町職員,関係施設職員で構成する。
所長は,必要と認めた者を入所調整会議の構成員に加えることができる。
所長は,入所調整会議における協議・調整に当たり,関係市町,関係施設の意見を徴し,公平な結果が得られるように努力する。
所長は,入所調整会議に基づいて入所待機順位が変更された場合は,速やかに「入所待機者名簿」を更新する。
3 施設管理者の手続き
施設管理者は,入所調整会議に基づいて入所待機順位が変更された場合は,速やかに「入所待機者名簿」を更新する。
施設入所者が,緊急に入所施設を変更する必要が生じた場合は,当該入所施設の管理者は,当該入所者に市町への緊急入所の申出について助言,指導するとともに,必要な援助を行なわなければならない。
第6 入所待機順位の取り扱い
1 入所待機順位の設定
施設管理者及び所長は,「入所待機者名簿」について,市町での介護給付費支給申請受理年月日に基づいて,その早い順に入所待機順位を設定する。
2 入所待機者順位の再設定等
施設管理者及び所長は,入所待機者が施設入所を辞退した場合,原則として当該入所待機者を「入所待機者名簿」から削除する。ただし,当該入所待機者の状況を勘案した結果,引き続き待機者として取り扱うことが望ましいと判断される場合においては,その者の入所待機順位を最後尾に再設定する。また,当該入所待機者が疾病等によって入院している場合において,入院の期間が3か月未満と見込まれる場合にあっては,当該入所待機者の入所待機順位については,3か月の間に限り,引き続き1位として取り扱う。
第7 入所調整等の特例
前3条の規定に関わらず,施設管理者が,知事が別に定めるところにより入所調整委員会を設置し,入所者の入所優先順位を当該入所調整委員会に諮る場合は,次のとおり取り扱うことができるものとする。
1 通常時の入所調整
第4の2(3)を次のとおり読み替えて,第4の規定を準用する。
(3) 入所者の決定
施設管理者は,新たに入所者の受け入れが可能となった場合は,入所待機者名簿の入所待機順位が上位の者数名及び特に入所優先順位の審議が必要と認められる入所待機者について,入所調整委員会に入所優先順位の審議を依頼し,当該審議の結果,入所優先順位1位の入所待機者へ入所の意向確認を行い,当該入所待機者が入所の意思を示した場合は,当該入所待機者に係る市町長に入所可能の連絡を行う。
施設管理者は,当該審議の結果,入所優先順位1位の入所待機者が施設入所を希望しない場合又は直ちに入所ができない場合は,入所優先順位が次に高い入所待機者に入所の意向確認を行い,入所の意思を示す入所待機者が現れるまで同様の手続きを繰り返す。
2 緊急時の入所調整
(1) 市町長の手続き
市町長は,入所待機者から施設等への緊急入所の申し出を受けた場合は,速やかに調査を行い,緊急入所の要否を判断する。
市町長は,緊急入所が必要と判断した場合は,施設管理者に「緊急入所調整依頼書」(様式第8号)を送付する。
市町長は,施設管理者から緊急入所調整依頼の対象者について入所可能の連絡を受けた場合は,介護給付費の支給を決定する。
(2) 施設管理者の手続き
施設管理者は,市町長から「緊急入所調整依頼書」の送付を受けた場合は,速やかに入所調整委員会に当該緊急入所調整の対象者に係る入所優先順位の審議を依頼し,当該審議の結果及び自施設への入所可能の可否を市町長へ回答する。
施設管理者は,介護給付費の支給決定を受けた緊急入所調整依頼の対象者と利用契約を締結した場合は,当該対象者に係る市町に契約内容を報告するとともに,「入所者異動状況等報告書」(様式第6号)により関係所長に報告する。
3 入所待機順位の取り扱い
施設管理者は,入所調整委員会に入所待機者の入所優先順位の審議を依頼した場合,当該審議の結果による入所優先順位に基づき,「入所待機者名簿」の入所待機順位を変更できる(ただし,当該変更により入所待機順位が下位になる入所待機者については,当該変更に関しては当該下位になる入所待機者の同意を必要とするものとする。)。
施設管理者は,「入所待機者名簿」の入所待機順位を変更した場合は,速やかに関係所長に「入所待機者名簿変更報告書」(様式第8号)を送付する。
所長は,施設管理者から送付を受けた「入所者待機者名簿変更報告書」に基づいて,「入所待機者名簿」を整理する。
第8 その他の入所調整
その他の入所調整については,入所調整が必要な都度,関係の市町,施設,県障害者支援課等の協力を得て実施する。
第9 入所調整の省略
次に該当する場合は,施設管理者は,入所調整に係る手続きを省略して,入所希望者又は入所待機者の自施設への入所を決定することができるものとする。
(1) 虐待等の理由により市町長がやむを得ない事由による措置を行う場合
(2) 災害や事件・事故の発生,介護者の死亡,病気等によって,家庭又は地域における介護環境が悪化し,緊急に施設入所しなければ,その者の生命,健康に著しい影響を及ぼすとともに,第5又は第7の2に規定する緊急時の入所調整を行う時間がないものと市町長が認める場合
(3) その他の理由により,特に緊急に施設入所しなければ,その者の生命,健康に著しい影響を及ぼすとともに, 第5又は第7の2に規定する緊急時の入所調整を行う時間がないものと関係所長及び市町長が認める場合
附 則
1 この要領は,平成24年4月1日から施行する。
2 旧身体障害者療護施設等入所調整要領(平成22年3月1日施行)は,廃止する。
3 旧知的障害者更生施設等入所調整要領(平成19年7月1日施行)は,廃止する。
4 この要領の施行の際,現に旧身体障害者療護施設等入所調整要領(平成22年3月1日施行)又は旧知的障害厚生施設等入所調整要領(平成19年7月1日施行)による様式でしている依頼その他の手続きは,この要領による依頼その他の手続きとみなす。
5 他の都道府県居住者についても,施設への入所にあたっては,この要領に基づくものとする。
6 市町長は,特別支援学校高等部卒業予定者が,当該学校を卒業後に主たる対象を知的障害者とする施設への入所を希望する場合は,当該学校での進路指導との調整を図るため,卒業年度の12月1日(閉庁日に当たる場合はその翌日)からの2週間,介護給付費の支給申請を受け付け,受け付けた支給申請について,特例受付分として,受理年月日を12月1日(閉庁日に当たる場合はその翌日)に設定する。
市町長は,特例受付分の支給申請については,速やかに所要の事務手続きを進め,介護給付費の支給が必要と判断した場合は,1月15日(閉庁日に当たる場合はその前日)までに西部こども家庭センター所長に「入所待機者登録書」を送付する。
西部こども家庭センター所長は,市町長から送付を受けた特例受付分の「入所待機者登録書」について,同一施設について複数の入所希望者がある場合は,抽選によって入所待機順位を設定する。
西部こども家庭センター所長は,抽選によって入所待機順位を設定した場合は,当該順位について施設管理者に通知する。
附 則
この要領は,令和3年6月1日から施行する。
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